この映画、観ました?#3「ブエノスアイレス」

    こんにちは。大石ちゃんこです。

    虐殺、選挙…と色気のない映画が続いたので、

    この辺でラブストーリーを。

    中3の時に観て衝撃を受け、

    その監督にハマってしまった大切な作品です。

     

    この映画、観ました?

     

    王家衛(ウォン・カーウァイ)監督

    『ブエノスアイレス』

     

    ★★★★☆ 4.0

    香港スターのトニー・レオンと

    レスリー・チャンが演じる

    ゲイカップルのお話。

     

    私はこの作品を観るまで

    香港映画が苦手でした。

    香港アクション映画の

    日本語吹替えの女性の声が

    やたら高音で騒いでて特徴的で、

    それがすごく嫌いで、

    香港映画ってだけで

    敬遠していたのです。

     

    ところが中3の冬、新聞の映画欄で見た

    この映画のポスター画像に無性に魅かれ、

    監督の事も何も知らなかったのに

    なぜか猛烈に興味が湧き

    「なんかわかんないけど絶対観たい!」と思い、

    受験直前で親に激怒されながら

    こっそり観に行ってみました。

    そして、ストーリー、俳優の演技や表情、

    映像のオシャレさ、生々しさ、

    音楽、台詞、トニーの格好良さ等が

    当時の私にとって大変衝撃的で、

    その後、監督の過去作品を遡って鑑賞し

    完全にハマったのでした。

    (「マイ・ブルーベリー・ナイツ」だけは

    映画館で寝かけたくらいアレですけど。)

     

    主人公は、香港の真裏・アルゼンチンに来た、

    セクシーで浮気性なウィンと、

    彼に「やり直そう」と言われると

    つい許しちゃうファイのゲイカップル。

     

    この映画はある時点をきっかけに

    モノクロからカラーに変わるのですが、

    カラーになった瞬間のファイの表情が

    複雑なのに感情が漏れ出ちゃうって感じで

    印象的です。

    ウィンが両手をケガして看病する時も、

    おそらく「このまま治らなければずっと独占できるのかな」

    と思ってるであろうファイの全身から

    切ないオーラが溢れています。

     

    ゲイの役が嫌で出演を断ったのに

    監督に騙されて結局出る事になってしまった、

    という事情があるとは思えないトニーの演技っぷり。

    スゴイです。

     

    ちなみに、私はこの映画きっかけで

    色んな香港映画を観るようになり、

    例えばマギー・チャンが

    ジャッキー映画で可哀想な扱いされてるばかりじゃなく

    しっとりした演技もする女優なんだ、

    というような事も知りました。

    もしも、まだ香港映画=アクションだと思ってる人がいたら

    この映画を観せてあげてください。ぜひ。