この映画、観ました?#7「隣る人」

    こんにちは。大石ちゃんこです。

    今回は、公開当時たまたま

    近所の映画館でやってて

    特に期待せずに観てみたら

    映画館を出る時には顔面が

    涙でガビガビになってしまった作品を御紹介。

     

    この映画、観ました?  

     

    刀川和也監督  『隣る人』

     

    ★★★☆ 3.5

     

     

    この映画は、

    親の死、病気、虐待、金銭的理由…

    等々の事情によって 

    実の親とは暮らせない子ども達が

    保育士さん達と一緒に暮らしている

    児童養護施設のドキュメンタリー。

     

    保育士のマリコさんと

    ムツミちゃんとマリナちゃんをメインに、 

    施設の大人達と子ども達の日々を

    8年間も密着取材したものです。

     

    いろんな感情になり、

    いろんな場面で泣いてしまい、 

    本当に顔面が涙でガビガビで、

    化粧もグチャグチャで、

    家まで俯きながら足早に帰りました。

    と言っても、子ども達を

    単純に“かわいそう”という感じに

    描いているわけではなく、

    とても好感が持てる作品です。

     

    普通に子ども達の行動に笑えたり、

    自分の子供時代を思い出したり、 

    「私もお母さん大好きだわ~」と思って

    実家に帰りたくなったりしました。

     

    子ども達のキャラクターも

    それぞれ面白くて個性的。

    ムツミちゃんの

    ちょっと強気だったり

    照れ屋だったりするところは、

    自分を見ているようで

    少し恥ずかしかったです。

    親が居なかったり

    一緒に暮らせない子供にとって、

    隣る人(=軸となる人)が保育士さんで、 

    でも保育士さんは本当の親ではないから、 

    ああいう施設の保育士さんって

    子供との距離の取り方が

    ものすごく大変だろうなと思いました。

    距離が近すぎてもいけないんだろうなと。 

    この作品で特に印象に残ったのは、 

    マリコさんがお休みで居ない日の夜に、 

    ムツミちゃんとマリナちゃんが

    マリコさんの布団を取り合って

    揉めている時、 

    マリナちゃんがマリコさんの

    お布団や掛け布団の匂いを何度も嗅いで 

    「いいにおい。いいにおい。」って

    満面の笑顔で言っていたシーン。 

    わかるー!って思いました。

    お母さんにしろ恋人にしろ、

    好きな人の布団の匂いって

    安心する良い匂いですよね。 

    あと、マリコさんが

    ムツミちゃんの誕生日会で

    「どんなムッちゃんも、大好きです」と 

    泣きながら言っていたところ。

    その場にいるムッちゃんの表情も最高です。

    この人が、この子の正真正銘の

    “隣る人”なんだなって思えて、

    とても幸せな気持ちになりました。

     

    かつて子供だった人全員に

     

    観ていただきたい映画です。ぜひ。