この映画、観ました?#8「24時間4万回の奇跡」

    こんにちは。大石ちゃんこです。

    今回は、なんて個性的な映画なんだ!

    と思える作品を御紹介。

     

    この映画、観ました?

     

    ブノワ・マリアージュ監督  『24時間4万回の奇跡』

     

    ★★★☆ 3.0

    端的に言うと、

    父親が息子に

    「ドアの開閉」24時間で41827回

    という世界記録へ挑戦させるお話。

     

    地元新聞の三流記者である父親が、

    2000年を目前にして焦燥感を抱き、

    わびしい日常から抜け出すため、

    “何かしらの世界記録を更新すれば

    スポーツカーをもらえる”

    というコンテストに

    息子を出場させるのです。

     

    昔、映画『ひみつの花園』の

    ビデオを観た際に

    新作映画紹介で予告が入っていて、

    少年がドアの開閉を

    もう特訓しているシーンを見て

    爆笑したのを覚えています。

     

    父親は、庭にどこでもドアみたいな

    練習用のドアを設置し、

    特訓コーチを雇うなど、

    かなり本気です。

     

    コーチも、「まずAのポジションへ。

    ドアの前に平行に立ち、

    Bポジションでドアと垂直になる。

    常にこのAとBの位置に立つんだ!」

    などと超真剣に特訓。

    そして息子も練習しすぎで

    手にマメができたり…。

    そんな、「ドアの開閉」に

    一生懸命取り組んでいる姿など、

    シュールで面白くて

    思わず笑ってしまうシーンが

    色々あります。

     

    あと私が好きなのは、

    息子が地域のFMラジオ番組で、

    色んな映画のシーンの矛盾

    (買い物時のお釣りが間違ってるとか、

    パンにジャム塗ってたのに

    別カットではジャムが無い、

    …みたいな細かい間違い)

    を話すというコーナーを

    持っているというシーン。

    全体的に、

    「どうだ!面白いだろ!」みたいな

    押し付けてくる笑いではなくて、

    あくまでも淡々としていて、

    だからこそこみ上げてくる可笑しみ

    という感じで、好きです。

     

    監督は、報道カメラマンや

    ドキュメンタリー監督を

    やっていた方だそうで、

    だからこその、

    良い感じに抑揚を抑えた演出

    なのかもしれません。

     

    そしてこの作品は、

    シュールな喜劇系かと思いきや、

    後半から突然、雰囲気が変わります。

    私は思わず「えぇっ!?」って

    声出ちゃいました。

     

    この家族がどうやって

    2000年を迎える事になるのか、

    ぜひとも観ていただけたらと思います。

     

    あと、昔味わった、

    「2000年問題」に

    ものすごい怯えて

    恐怖してたのに、

    2000年を迎えた瞬間

    全く何も起きなくて、

    すげーホッとしつつ

    ちょっと腹立った、という

    懐かしい気持ちも、

    ついでに思い出していただけたらと思います。

    ぜひ。