この映画、観ました?#14「ジヌよさらば~かむろば村へ~」

    こんにちは。大石ちゃんこです。

    今回は、松尾スズキさんの3つ目の監督作品。

    不条理、ナンセンス、ブラックな

    大人計画の世界を味わえつつ

    生き方についても考えさせられる映画

    を御紹介します。

     

    この映画、観ました?

     

    松尾スズキ監督  「ジヌよさらば~かむろば村へ~」

     

    ★★★★☆ 4点

     


    ジヌ=東北弁で「銭」。

    お金恐怖症になった元銀行マン・タケ(松田龍平)

    1円も使わずに生きるため

    限界集落寸前の“かむろば村”に移住。

    村には、超世話好きな村長(阿部サダヲ)

    その妻(松たか子)、神様と呼ばれる老人(西田敏行)

    希少な女子高生(二階堂ふみ)などなど

    濃いキャラがたくさん。

    そして、村長の過去を知る謎の男の出現や、

    村長選挙も行われ、タケも騒動の渦中へ…。


    とにかく、

    出演者全員がちゃんと演技の実力者なので、

    映像作品で必ずある

    「演技が下手な人が出てきてイラッとする」

    というストレスは皆無で楽しめました。

     

    松尾スズキさんらしい笑いや動きも

    たくさん散りばめられていて、

    大変面白かったです!

    村長が必要以上に人の荷物を

    ばんばん放り投げたり、

    タケが階段の手すりに絡まっちゃう動きなど、

    その場その場で思いつき取り入れたものが多いらしく、

    さすがだなーと思いました。

     

    過去の2作と違って、かなり

    「大人計画」的な雰囲気も漂っていました。

    今作では、これまではなかなか使えなかった

    大人計画の役者陣を出す事も出来たそうで、

    御自分の演出が伝わりやすくて

    やりやすかっただろうなと思います。

     

    私が観た回は年配のお客さん率が高かったのですが、

    皆さん結構色んなところで爆笑していて、

    松尾さんの笑いって高年齢にもハマってるんだ!

    って驚き感心しました。

     

    西田敏行さん演じる「なかぬっさん」は、

    自他共に神様と認められている人物。

    松尾スズキさんの舞台や小説には、

    ""という存在がよく出てきます。

    2006年の大人計画の舞台

    『まとまったお金の唄』でも神について触れていて、

    神は人の前にあってはいけない、

    後ろにいるものだ、みたいな台詞がありました。

    「なかぬっさん」も正にそんな存在で、

    決して偉そうにしたり崇められようとはしないし、

    人を煽動したりもせず、

    見守って、理解して、助言して、

    人々の前ではなく後ろもしくは横にいるのです。

    そのあたり、松尾さんの""観なのかなと思いました。

     

    タケが選んだ、「お金を1円も使わずに生きる」

    という生き方。

    それって、お金という"保険"をかけない、

    って事だと思います。

    お金という保険は、任意ですので、

    タケのような人生もアリなんだと思います。

    私には絶対無理だけど。

     

    あと、編集担当の上野聡一さんつながりなのかな?、

    まさかの三谷幸喜さんが特別出演しているので、

    その出方にも注目です!

    それと、二階堂ふみのパンチラも必見です!

    ぜひ!