こんにちは。大石ちゃんこです。
今回は、天才だと思う脚本家と
天才だと思う監督が
強力なタッグを組んでいる、
ひねくれ者にはグッとくる映画を御紹介。
この映画、観ました?
チャーリー・カウフマン脚本
スパイク・ジョーンズ監督 「アダプテーション」
★★★★☆ 4点
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主人公は、脚本家のチャーリー・カウフマン。
そうです、脚本家は自分が主人公の
映画を書いたのです。
チャーリーが、「蘭に魅せられた男」という
ノンフィクション本の脚本を依頼されて
苦悩する姿を、虚実入り乱れて描いています。
チャーリーと双子の弟ドナルドの
二役を演じているのは、
ファンである私の友人いわく
濡れた瞳が魅力的だというニコラス・ケイジ。
スパイク・ジョーンズの初監督作品
『マルコヴィッチの穴』でも
チャーリーが脚本を書いていて、
公開当時、高3だった私は映画館で
こんな面白い話を思い付く人がいるのか!
と大興奮したのを覚えています。
その時、この脚本を書いた人の
頭の中を見てみたいと切に思ったのですが、
この『アダプテーション』では、
それを少し覗けた気がして面白かったです。
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アダプテーションという言葉には、
「適応」と「脚色」いう意味があります。
チャーリーが、生物が適応しながら
進化してきたことに思いを馳せたり、
原作本の脚色に悩んだりと、
本作はその両方の意味が描かれた映画。
また、現実と虚構が複雑に交錯していたり、
主人公が双子であったり、
本の原作者である女性記者が
夫と蘭コレクターの男との間で揺れたり、
チャーリーとは正反対な
王道スタイルな脚本家が登場したり…などと、
2つの意味や役割みたいなものが出てくるのも、
そういう事を反映しているのでしょうか。
全ての生物は順応して変化していくことを
繰り返して生きている、
というチャーリーの考え方は
大変興味深いです。
この作品の6年後に彼が初監督をした
映画『脳内ニューヨーク』にも通じていると思います。
劇演出家が巨大なニューヨークのセットを建て
自分の人生を俳優達に演じさせる中で、
実際の人生の変化をどんどん反映させながら
劇を作っていくので、俳優もセットも変化しながら
何十年もリハーサルが続く…という作品で、
こちらもとても衝撃的で面白い映画なので
未見の方、オススメです。
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『アダプテーション』は
コメディとしても素晴らしくて、
笑える場面がたくさんありながらも
人間の本質について考えられる、
希少な映画だと思います。
あと、脚本家が映画の撮影現場に顔を出すと
自分のこと知らない人ばかりで気まずい、
というのは、放送作家もちょっとそんな感じなので、
わかるー!と思いました。
最後の展開は、「適応」しているように見せて
本当は全くしていなくて、
とても皮肉じみており、
こじらせまくっていて面白いです!
素直にアダプテーション(=順応)ができない
ちょっとダメな人や、こじらせてる人には
刺さると思いますので、オススメです。
ぜひ!
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