こんにちは。大石ちゃんこです。
今回は、サーフィンという、真正インドア人間の私にとって最も相容れない世界を描いているのに、
ものすごく大好きで何度でも観られるステキな作品を御紹介。
この映画、観ました?
北野武 監督 「あの夏、いちばん静かな海。」
★★★★☆ 4.5
<ストーリー>
主人公は聴覚障害者のカップル。
茂(真木蔵人)は、ごみ集積所で偶然サーフボードを拾ってからサーフィンに熱中していた。
彼女の貴子(大島弘子)が見守る中、茂は大会に出場する程に上達し…。
全体的にかなり淡々としていて、カメラも動きがなくほぼフィックス(固定)で撮っています。
それなのになぜか心にグッとくるという不思議な作品です。
主人公の2人がサーフボードを持って静かに歩いているシーンが好きで、
そのシーンだけでもずっと観ていられるかもしれません。
カップルの2人がイチャイチャしたり愛情表現をしているシーンを一切使わずに、
2人の間に強い繋がりがあるというのを観ている側に伝えているのも粋です。
例えば、サーフボードを買った帰りに茂だけバスの乗車を断られたので
彼だけ走ってバスを追いかけ、彼女も途中で降りて走って引き返し、
合流するというシーン(これも淡々と描いてる)で、2人の絆がうかがえます。
その時の彼女の
笑うでもなく疲れを表現するでもなく当然のような表情と、茂の少しはにかんだような表情がとても良いです。
2人は聾唖者なので会話は無いのですが、なんとなく、この2人って聴覚障害がなくても
このくらいの会話量なんじゃないかなと思ったりもします。
この作品はとにかくセリフと共に過剰な感情表現も排除していて、観ている人の感情を煽るような
下品なことをしていないのがすごく好みです!!
「死」さえも淡々と描いています。
死は、突然、誰にでも訪れるもので、障害者だからって容赦ないんですよね。
また、サーフィンに限らず、何かに強烈にのめり込むのって死と隣り合わせなんだ、とも思わされました。
昨今の、過剰に煽って観ている人の感情をコントロールしようとしてくる作品に
うんざりしている方で未見の方はぜひとも観ていただきたいです。
唯一文句を言わせてもらうとしたら、ちょっと音楽が過剰かなと少しだけ思ってしまいました。
バスのシーンや、ラストの彼女がボードを海に浮かべに行くシーンの時は
もうちょい抑えた音楽のほうが逆にグッときた気がします。
(『菊次郎の夏』ではOPから音楽だけで感情を揺さぶられ泣けちゃって仕方なかったですが…。)
あと真木蔵人がめちゃめちゃ
カッコイイです!
最近は「BAZOOKA!!!」でしか見かけませんが。
過去色々あったとしてももっと人気あっても良いと思うくらい
カッコイイんですけどね…。
ということで真木蔵人の格好良さも見どころです。
ぜひ!!!
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