殺人の追憶

この映画、観ました?#45

こんにちは。大石ちゃんこです。

 

今回は、珍しく韓国映画です。

「この人の作品はかなり面白いよ!」と複数人から聞いていた監督の作品を初めて鑑賞してみました。

 

この映画、観ました?

 

ポン・ジュノ 監督  「殺人の追憶」

 

★★★★☆ 4点

1986年にソウル近郊の農村で実際に起きた猟奇的連続殺人事件を描いた作品。


パク刑事(ソン・ガンホ)は

ソウル市警から来たソ刑事(キム・サンギョン)と共に事件に挑むが、捜査方法の異なる2人は対立。


しかし、ある出来事がきっかけで有力容疑者が浮上し…という話。

 

韓国映画は、恥ずかしながらテレビで放送していた『私の頭の中の消しゴム』しか観た事がなく、

あまり馴染みが無かったのですが、今作は評判通りすごく面白かったです。

 

実録モノとしてだけでなく、人間の描き方も大変面白いのです。


最初はパク刑事の粗暴で杜撰で自分勝手な捜査方法が続き、反対にソウルからやってきたソ刑事は

冷静で頭脳明晰な捜査で…という感じなので、パク刑事がソ刑事の影響で正しく変わっていくのかな、

と思っていたのですが、そんな予想は裏切られました。


2人の刑事がどう変わっていくのかぜひ観ていただきたいです。

 

被害者がどんどん増え捜査対象者も増えていくのに全然事件が解決しない、という状況に

どんどん追い詰められていく刑事達の様子はとても見ごたえがありました。


2人とも事件を解決して人々を安心させたい気持ちは同じように強く持っているのです。

そんな2人が、同じベクトルに向かっていき近付いて重なり合うかと思いきや、まさか交差してしまうとは。


変わっていくソ刑事の、例えば聞き込み相手に容疑者の顔を確認させる時の写真の見せ方だったりなど、

細かく丁寧な演出が効いていたと思います。

 

また、思い込みや勘違いの怖さ

というのもズシンときます。


解決への糸口を求めすぎるあまり、「偶然」を勝手に「必然」に変換して真実が見えなくなっていき、

それに気付いた時はかなり恐怖を感じました。


作品の中で、観ている側に思い込みや勘違いを起こさせるような仕掛けが

いろいろ施されているので、私達もそれに打ち勝たなくてはいけません。

 

 

そして最も印象に残る、ラストシーン。


事件が未解決になってしまった20年後、犯人がまだその村で普通に暮らしている

ということが示唆されます。


そのおそらく犯人である人物を見た少女が犯人の顔について「よくある顔。普通の顔よ。」と言った時は

鳥肌が立ってしまいました…。

 

でも、陰惨な事件を描いているものの実は笑えるシーンもあったりします。

パク刑事とペク刑事の粗暴コンビが仲良くあやとりをして時間をつぶすかわいいシーンや、行き詰まりすぎて占い師に相談しに行くシーンは

思わず笑ってしまいました。

 

…とはいえ、やはりこの作品を見てから、一晩経ってもイヤ~な気持ちが後を引いています。


人間の闇を感じるし、闇の象徴のような「トンネル」の画づらが怖くて忘れられません。

同監督の他の作品にも俄然興味が湧いてきたので、観てみたいと思っています。

 

「奇跡体験!アンビリバボー」等の実録モノ好き、韓国作品というと、設定カブりまくってる

恋愛ドラマのイメージしか無い人、いまだに韓国映画に軍隊モノのイメージが強くて敬遠している人、

(それら全部、昨日までの私ですが)、

『殺人の追憶』観てみてください。ぜひ!!