ムーン・ウォーカーズ

この映画、観ました?#46

こんにちは。大石ちゃんこです。


今回は公開中の作品を御紹介。ミュージックビデオやCMで大活躍している監督の長編映画デビュー作で、映像にこだわりを感じる

スタイリッシュなコメディ映画です。


この映画、観ました?

 

アントワーヌ・バルドー=ジャケ監督  「ムーン・ウォーカーズ」


★★★☆☆ 3点

CIA諜報員のキッドマン(ロン・パールマン)は、スタンリー・キューブリックに月面着陸の捏造映像を

作ってもらえという密命を受け、ロンドンへ。


しかし、借金まみれのジョニー(ルパート・グリント)がその資金を狙って彼を騙そうとして……という話。

 

OPがすごく好みなアニメーションで、「あれ、でもこれ、モンティ・パイソンぽいな~。つか影響受けすぎでしょ。」なんて思って

観てたんですが、この映画は1969年のロンドン、いわゆるスウィンギング・ロンドンが舞台となっているんだ

という事を思い出し、恥ずかしくなりました。


『空飛ぶモンティ・パイソン』がBBCでスタートしたのは1969年。あえてのモンティ・パイソン風だったんですね。

主役のジョニー役は、どっかで見た事あるな~と思ったら『ハリー・ポッター』のロン役の子でした。


1960年代の雰囲気に溶け込んでいたし、色んな事に巻き込まれる様がとてもキュートでした。

ただ、ジョニーという人物に関しては、もう少し、「どうしても音楽を愛していて音楽がないと生きていけないんだ」っていう所を

描いてほしかったです。(音楽愛が描かれてたのは、ジミヘンのレコードを汚されてショック受けてた所くらいだった気が。)


そういうのがあまり伝わってこないので、ただの、いつも口先だけで全然実行できず、自分の責任でヤミ金に借金がある

本当ダメな奴、ってだけの感じになっちゃってて、観ている側としては、感情移入とか無意識に応援しちゃうような気持ちが

希薄になってしまい、それが残念でした。


別に、必ずしも、イイ奴だとか実は優しい一面があるとかそういうのが欲しいんじゃなくて、クソみたいな人間でも

どうしても好きな物があって…っていうのをもっと感じられたら良かったな、ってことです。


キッドマンとジョニーは、色々あってキューブリックではなくヒッピーな個性派デブ監督に月面着陸の捏造映像の制作を頼む事になります。

その監督のビジュアルがなかなか強烈だし、その監督が作ったという設定の、ブリーフ1枚の太った男2人がただ跳び跳ねているのを

スローモーションで芸術的に撮った映像も面白かったです。


「こういう個性派で変態的な監督が撮りそう~!」って感じで。

ちなみに、そのデブ監督が出てくる度に、私は日本の映画監督・井口昇さんを思い出してしまいました。

(下の画像より、もっと井口昇さんぽいシーンが多々あるのです。)

ベトナム戦争の帰還兵で戦争PTSDも患っているキッドマンが、

個性派変態監督のもと、ドラッグばっかやってるヒッピー達

(=真逆な人達)と一緒に映像作りをする事になるというのは、

皮肉的で大変面白いと思います。


ただ、肝心の映画作りが始まってからが、少し退屈に感じてしまいました。

本来なら、映画作りのところが一番ワクワクして心踊る感じになるべきだと思うし、私はそのあたりを楽しみにしていたのに、

逆に盛り上がりが停滞していた気がします…。


でも!映画作りの途中でキッドマンがある状態になってしまう時の映像は、

大変素晴らしいです!



独創的で、キレイで、魅惑的で、それまでの戦争PTSDを表していた映像との対比にもなっていて、かなりの見どころです。

 

また、各場面での音楽の使い方も良くて、超暴力的なシーンで優雅なクラシック音楽をBGMにしていたのは特に印象に残りました。

さすがMV・CMの監督だなという感じ。格好良いです。

 

残念なところはあったものの、長編映画は初とのことなので次回以降また変わってくるでしょうから、

今後もこの監督の作品を楽しみにしたいと思います。


とにかく映像センスは抜群なので観てみてください。

ぜひ!!