1980

この映画、観ました? #49

こんにちは。大石ちゃんこです。

 

今回は、「心に残る映画の名セリフ」を考えた時に真っ先に思い浮かぶ作品を御紹介。

公開から10年以上経った今でも高頻度で思い出す好きなセリフがあるのです。

あとすっかり忘れてたけど年末に観るのに適した作品でした。

 

この映画、観ました?

 

ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督   「1980」

 

★★★★☆ 4.5点

1980年が舞台のコメディ。

ノーパン喫茶へ行った夫を許せないカナ(犬山イヌコ)、

惚れっぽい元B級アイドルのレイコ(ともさかりえ)、

自主映画でヌードを要求されているリカ(蒼井優)。

 

それぞれ問題を抱える3姉妹の恋愛模様や生活を描いたお話。

  

1980年は私が生まれる2年前なので、「あ~、この時代、私は

こうだったなー」みたいな感慨や、「これ使ってたわ~」みたいな懐かしさ等はほぼ無いのですが、それでも本当に充分楽しめる

作品です。

 

登場人物達のキャラもとても良く、役者陣も最高。

 

蒼井優さんだけ少し拙い演技ではありますが、バツグンに

可愛いです。

 

こんなにも自分が使いたい役者を揃えて映画を撮れるなんて、

監督のケラさんって幸せ者なんだろうと思います。

 

影の主役である、東京のサブカルに憧れるテクノカットの

男子高生・衣笠の存在もニヤニヤしてしまいました。

 

東京では面白い事がたくさん起きてるはずなのに、

自分は何もできてなくて焦る感じ。

 

理想は、聖子ちゃんカットではしゃぐその辺の低俗な女子では

なくて、知的でプラスチックで微妙にアンニュイな

テクノクイーンでベリーショートの髪を立てたエンジェルと

恋をしてマキシマムジョイなニューウェーブカップルになる

事なのに、現実はそれとは程遠い状態である感じ。

東京にいるだけじゃ、知識があるだけじゃ、全然ダメなんだよなっていうのはすごく理解できる気がします。

そして、頭でも書いた名セリフについて。水族館デートで高校生の彼氏と揉めて泣くレイコが

「泣くなよ、もう、子供じゃないんだから」と言われて彼氏に叫び返す、『人間、大人になればみんな自然に大人になれると思ってるんだろうけど、実際、大人になってみな?人間ね、大人になったからって、大人になんかなれないんだからっ!』

 

というものです。

 

このセリフは私の心に響きまくり、「1980」は一瞬にして好きな映画に認定されました。

当時、私は22歳でしたが、いま33歳になって再鑑賞してみても良いセリフだなーって思います。

 

私は、自分の精神年齢の低さに引いてるし、いまだに大人が嫌いだし、大人らしい大人になりたくないし、

落ち着いたりしたくない、と思っているような人間です。

 

でも、年齢は容赦なく“大人”になっていき、そのギャップには我ながらうんざりしています。

レイコのこのセリフは、そういうのって私だけじゃないんだ、大人になれない大人もいるんだ、と思えました。

 

作品は決してレイコのそういうところを肯定するようなテーマのものではないのですが、なんだか心が救われたような不思議な

気持ちになり、以降、私の中では「映画の名セリフ」として10年以上心に刻まれ続けています。

 

他にも、映画部の皆が300万円もかけて作った自主映画の顛末と、その後のカオスなシーンや、及川光博さん演じる歌手・東馬健の曲など、

見所はたくさん。

 

感情を極力抑制した音楽であるテクノが流行している時代に生きる、濃くて激しいキャラの登場人物達の様子、

というコントラストも興味深いです。

 

あと、とぼけたセリフや小ネタもいちいち面白くて声出して笑えますので、一度観てみてください。ぜひ!

 

ちなみに、2015年にテレビ東京で放送していたケラさん監督のドラマ『怪奇恋愛作戦』もかなり面白くて、

仲村トオルさんのラブコメっぷりとかもたまらなくて大好きでした。

そちらもオススメです。

 

ぜひ!