こんにちは。大石ちゃんこです。
今回は、大好きな漫画家の大好きな漫画作品が原作で、脚本も大好きな方が書いている、
非常に興味深いテーマの学園モノ作品を御紹介。
2011年にドラマ化、2013年に映画化されたものです。
この映画、観ました?
河合勇人 監督
武富健治 原作
古沢良太 脚本
「映画 鈴木先生」
★★★☆☆ 3.5点
中学教師・鈴木(長谷川博己)は独自の教育理論で理想のクラス作りに奮闘中。
生徒会選挙と文化祭の準備に追われる中、精神を病み休養していた足子先生(富田靖子)が復帰し、更に卒業生(風間俊介)が
生徒の小川(土屋太鳳)を人質に取るという最悪の事件が発生…という話。
私は漫画『鈴木先生』が大好きで大好きで、単行本が出るのをいつも待ちわびて、買ったら1冊を何日もかけて丁寧に読み込んでいました。
今では作者の武富健治先生のファンです。
最初に本屋で1巻を見かけた時は、好きではない絵のタイプだったのと、帯に「中学教師が教え子の妄想を」的な記載があった事で、
なんか気持ち悪いと思ってしまい敬遠していました。
ところがずっとなんだか気になっていて、どんな話なのか調べたら興味が湧き、買ってみたらどハマりしてしまったのです。
鈴木先生のやり方は素晴らしくて、いわゆる熱血教師モノとは全く違い、一般的に語られる道徳観や教育方法だけではなく、
色々な方向から考えを巡らせて問題解決にあたり、ハッとさせられます。
そして何より、「学校教育は、手のかからない“普通の生徒”の心の摩耗の上に支えられているんだ」
という考え方に心から感銘を受けました。
教師達は、不良や家庭問題のある子にばかりに目を向けがちだけど、何かを起こす理由となる“事情”の無い、
普通の生徒の心にも目を向けるべきなのです。
私は子供の頃、教師がすごく嫌いでした。
私自身は特に問題も無く、先生に信頼されているような生徒でしたが、先生達の実は無神経な言動や、
一部の生徒にしか目が向いていない様子には子供ながらに気付いて腹が立っていました。
それこそ私には“事情”があるわけではないので特に反発したりはしなかったものの、
心の中では先生達の存在を嫌悪していたと記憶しています。
ドラマ版・映画版でもそういったテーマは
ちゃんと描かれており、そんな学園ドラマ作品ってなかなか無いと思うので素晴らしいです。
映画版で扱っている、生徒会長選挙と投票システムへの問題提起や、グレーゾーンが残されている事で
救われている人もいるんだという話も、「本当そうだよなあ」と心底思えるもので、学校の道徳の時間でも扱うべき問題だと思いました。
ただ、かなり残念なのが…生徒達の髪型です!
特に小川さん役があのショートカットではなくロングヘアーだったのはどうしても納得できません。
百歩譲ってロングヘアーでやらなければいけなかったとしても、小川さんなら長髪は束ねるか耳にかけるかはしているはず。
あと、例えば中村さん役もポニーテールだったけど、髪の長い子が演じているのなら
原作通りツインテールにも出来るのに何故しないのか…。
制作側のこだわりなのかもしれませんが、見る側としては意外と結構ストレスでした。
でも、精神崩壊しちゃった足子先生の不気味な感じは面白かったです。
富田靖子さんの恐ろしい笑顔が最高。
それにしても、やはり学校教師って相当ストレスがたまるのでしょうね。
私の小学校時代にも、音楽のF先生という女教師が突然音楽室の窓を開けて「無礼者―――――っ!」と叫び出すという
出来事がありました。
当時はただ爆笑していたけれど、今思うと笑いごとではない気がします。
最後に、3.5点という点数に関して。。。。
描いているテーマが本当に素晴らしいし古沢良太先生の脚本も良いので本当は5点にしたいのですが…、
ドラマか原作を見ていないと鈴木メソッドが理解できない点、原作の個性的で不思議とクセになる世界観が表現できていない点
(映像としてどんな形でも良いから濃い個性を出してほしかったです)、上でも書いた生徒達の髪型に関する点、
など気になるところがあったのでこの点数にさせていただきました。
(そもそも、いつも点数を書くのがおこがましくて恐縮だとは思ってますが。。)
でも、普通の学園ドラマでは扱わないテーマを描いた面白い作品であることは確かだし、絶対に「あー、私も鈴木先生に教わりたかったな」
と思えるはずなので、観てみてください。ぜひ!!
あと、この世の全ての教師達に『鈴木先生』を見ることを義務付けてほしいなと心から思っています。
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