ミロス・フォアマン監督  マン・オン・ザ・ムーン 

こんにちは。大石ちゃんこです。

 

今回は、私の「心の映画ベスト5」に常にランクインしている特別好きな作品を御紹介。

お笑いファンとしても、心をこじらせている人間としても、グッときてしまう作品です。

 

この映画、観ました?

 

ミロス・フォアマン監督  「マン・オン・ザ・ムーン」

 

★★★★★ 5点

売れない芸人アンディ・カフマンはクラブを転々としていたが、ひょんなことから人気番組

「サタデー・ナイト・ライブ」に出演し大人気に。

 

しかし彼の独特の笑いは次第にエスカレートし、周囲や国民の怒りを買うことに…。

 

35歳でこの世を去った伝説のコメディアンをジム・キャリーが熱演した伝記映画。

 

オープニングでアンディに扮したジム・キャリーが出てきて、「僕を理解したくない人は帰っていい」と言い、

映画館に来ている客を帰らそうとするのですが、結局、この言葉がこの映画の全てのような気もします。

 

不器用で破天荒で何より笑いが最優先である彼の生き方は、誰もが理解できるものではありません。

でも、わかってくれる人が1人でもいてくれればそれで良い、命をかけて「笑い」を求めたい、

・・・そういうものを感じるこの作品がとても気に入っています。

 

そして、アンディ・カフマンの独特なしゃべり方も気に入り当時はよくマネしていました。

(というか、今もたまにしています。)

 

アンディは、誰もやっていない新しい笑いをやったり、壮大な嘘で人々を騙し惑わせてばかりいました。

“笑い”というのは、緊張の緩和だったり、構図にズレが起きたり、

予想がはずれて裏切られたりすることで生まれる、と言われていますよね。

 

彼がやっていた事って、その振り幅がかなり大きくてそうとう突き抜けちゃっています。

とにかく人々に笑いを起こしたいし、自分の言動で人々の心を(良くも悪くも)動かしたい人なんです。

そんな芸人としての姿が、格好良くて惚れ惚れします。

 

実際に自分が彼の側にいたらウンザリする事もあるんでしょうけど、

作品を観るとアンディ・カフマンが愛しくてしょうがありません。

 

もしも私が当時アメリカにいたら、絶対にファンになっていただろうと思います。

 

彼が活躍したのは1970年代後半から80年代なので私はリアルタイムでは全く知らないのですが、

映画公開当時に『世界ふしぎ発見!』か何かで本人の映像を見て、ジム・キャリーが本当にそっくりに彼を再現しているのだと驚きました。

それも大きな見どころです。

 

嘘やヤラセを駆使したアンディの「芸」は次第にエスカレートしていき、理解できない人や置いていかれる人も増え

多くの人に迷惑もかけました。「笑い」をこじらせすぎてしまうのです。

 

最先端の笑いを受け入れてくれるはずの『サタデー・ナイト・ライブ』の客からも拒絶され、更に、唯一の心の安らぐ場であった

超越瞑想法の修行からも追い出されてしまった彼の姿は大変切ないものがありました。

 

肺ガン発覚後に彼の夢だったカーネギーホールで行った贅沢な演出だらけのライブで、

終演後にお客さん達へサンタからのプレゼントとしておやつを振る舞います。

 

死ぬ前に、自分の笑いを観るためお金と時間を費やしてくれたお客さん達=自分を理解してくれる人達に対して

彼なりの贈り物をしたかったんだと思うとグッときました。

 

しかし同時に、「アンディ・カフマンがこんなストレートな事して本当にファンは喜ぶのだろうか!?」

とも思ってしまいましたが・・・。

 

でも、ラストの、フィリピンへ行き彼が本気で信じていた民間療法を受けるシーンは最高です。

治療のインチキさを目撃してしまい、さんざん人々を騙して笑いを起こしてきた彼が最後は騙されて思わず笑ってしまうという、

とっても印象的なシーン。

 

このシーンは本当、絶対に観ていただきたいです。

 

そして、エンドロールで流れる、この映画のタイトルの元となったR.E.Mの『Man on the Moon』という曲も

すごく良いので、そちらもお聴き逃しなく。

 

ぜひ!!!