ミシェル・ゴンドリー監督   恋愛睡眠のすすめ

こんにちは。大石依里香です。

 

今回は、大好きな監督の作品の感想を。

 

初めて観たとき、「ああ、この監督は本当に可愛くてステキなんだな」と心底思い、

監督に恋してしまう気持ちになりました。

 

 

ヒロインのビジュアル(主に受け口)が宜しくないのが欠点ですが、

非常に個性的で可愛くて面白い作品です。

 

この映画、観ました? #62

 

ミシェル・ゴンドリー監督   「恋愛睡眠のすすめ」

 

★★★★☆  4.5点

引っ込み思案でシャイなステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、

父の死をきっかけにメキシコから母のいるパリに帰郷。

 

ある日、隣の部屋にステファニー(シャルロット・ゲンズブール)が引越してくる。

ステファンは彼女を好きになるもなかなか上手くいかず、せめて眠っている間だけでも彼女に会うため、

理想的な夢ばかり見るようになり…というお話。

 

この作品は、主人公ステファンの頭の中にある「ステファンTV」から始まります。

そこは、彼が思い出や記憶や願望などの材料を集めて自分の見たい夢を調理している可愛らしい空間。

 

段ボールや玉子の容器など家にある色んな物を使った、手作り感満載のスタジオです。

この空間の手作り感が私はとにかくものすごく好みで、冒頭から完全に心を持っていかれました。

以来、PCのデスクトップは今でもずっとこの画像です。

 

ステファンTV以外にも、監督が作り出す他では見る事のできない独特でステキな映像&美術センスがたっぷり味わえます。

セロファン、紙、段ボール、毛糸、アルミ箔…等々、クラフト感にキュンキュンしてしまいます。

でも、決して映像センスを見せつけたいだけの作品ではなく、ちゃんと心に響くものがあるのです。

 

恋に落ちてしまった男の人の頭の中の混乱や妄想っぷりや葛藤を、ビジュアルでこういう風に表す映画なんて初めて観ました。

しかも、それが女の子の頭の中ではなく男の人だというのが、良いなと思います。

 

女子ウケっぽい映画の雰囲気満載ですが、実は男性こそ楽しめる作品なのではないでしょうか。

 

監督が作り出す画を表しているかのような、「デタラメって難しいのよ。油断するとすぐ秩序立ってしまう。」

「秩序に死を。」というセリフが印象的でした。

 

私も、整っているモノや既成感が嫌いなので。

 

 

作中に出てくる「1秒タイムマシン」という機械もめちゃめちゃキュートです。

男の人にあんな発明品を持ってこられたら、私なら1秒で好きになります。

使い方もカワイイので、これはぜひ見てほしいです。

 

(写真はミシェル・ゴンドリー展で展示されていた本物を撮ったもの。

   実物を見られて大興奮でした。)

 

ステファンとステファニーが仲良くなっていくと、互いの夢が互いの夢に影響を与えて

シンクロしていく感じが描かれます。

 

普通の恋愛映画と違って、恋が育っていく様子を、言葉やストーリー展開で見せるだけで

はなく、彼らの頭の中をビジュアル化するという手法は素晴らしい試みだと思いました。

 

『エターナル・サンシャイン』にしろこの作品にしろ、監督は夢とか頭の中とか夢のある

理論とか、そういうのが好きなんですね。

 

夢も頭の中も、自分の手が届かないものなんだけど、

それを自分の思い通りにしようと奮闘するところにロマンがあるのでしょうか。

 

「夢をコントロールする」って、コントロールするという行為だけで考えると現実的で可愛くない印象なのですが、

でも、“夢を”コントロールする、となると、逆にとてもワクワクしてピュアな感じがします。

 

なんだか不思議です。

 

ステファンは、冷静に考えちゃうと結構ヤバめな人なのですが、ガエル・ガルシア・ベルナルが演じていることもあり、

シャイで不器用(手先は器用)で少年のようで、すっごく可愛い男性です。

 

女々しいタイプの男が嫌いな女性はハマらないかもしれませんが、私のように、器用な人、スポーツマン、現実主義者、

イケてる感たっぷりな人…みたいな男性が苦手な人は激ハマリだと思うので、よければ観てみてください。

 

恋する男性が主人公なので、男性も楽しめるはずです!

そうじゃない人でも、監督が作り出す個性的な映像は絶対に見る価値があると思います。

 

ぜひ!!!