映像のバリアフリー化として期待されているUDCastという
アプリを知っていますか?
今秋に公開された、是枝裕和監督・福山雅治主演の映画「三度目の殺人」や、
長谷井宏紀監督が日本人で初めてベネチア国際映画祭から全額出資されて作った、孤児の少女と盲目のギター弾きの旅を描くイタリア映画「ブランカとギター弾き」などが、これに対応した作品であることも話題になりました。
UDCastは、視覚障害や聴覚障害のある人にも映像を楽しんでもらえるシステムです。
どういうものかというと、これに対応した映像には、人間の耳には聞こえない周波数帯の音が“音声透かし”として埋め込まれています。
その音声透かしを識別することで、映像と同期した字幕や音声、手話動画などをスマートフォンやタブレット等のセカンドスクリーンに
配信できるのです。
映像の音さえ拾えれば、広い会場であろうと同時に何人でも無制限に使うことができます。
また、このシステムはなんとメディアが変わっても使うことができます。例えば映画作品ならば、映画館での公開時に作成したデータを
同期させれば、ブルーレイやDVDになっても、テレビなどで放送する際にも、webなどで配信する際にも、バリアフリーで楽しんで
もらえるのです。
また、データのやり取りなので、更新や変更が素早く出来るのも魅力の1つ。この特徴を活かすと、(バリアフリーは関係なくなりますが)
例えば作品をUDCast導入のブルーレイで発売したとして、その出演者などによるコメンタリーを定期的に新しいものに変えていく事も
できるのです。
そして、このシステムの活用先は映画などの映像作品だけではありません。
映像に音声透かしを埋め込まずリアルタイムに配信することも可能なので、例えば、ライブや演劇、古典芸能、
ショーなどにも対応しています。
このような映像のバリアフリー化によって、映像作品をはじめ全てのエンターテインメントが、これまでは楽しんでもらえることが
かなわなかった方々にも届く事に届けられます。それは、作り手にとっても大きな歓びになっていることでしょう。
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