天気予報中継、スポーツ中継、現場からの中継、インターネット配信、交通情報、移動中継(マラソン、自動車、ヘリコプター、電車など)など、テレビやインターネットなどの映像制作の現場で日々色んな中継が放送されていますよね。
あれらの中継で、なぜ中継先の映像と音声に数秒の遅れが出てしまうか、
わかりますか?
それは、映像を送信機で圧縮変換しなければいけないから。電話のように音声だけではないので、映像の変換に時間がかかってしまい、中継では映像も音も1~2秒、遅れてしまうのです。
ちなみに、海外から衛星中継をする場合は、音と映像を、宇宙にある通信衛星を経由して送っています。中継の場所によっては1つの衛星だと日本に電波が届かず、複数の衛星と基地局を経由する必要があるので、2秒以上の遅れが生まれることも多いです。
ところで、LiveUというものを聞いた事がありますか?これは近年テレビの生中継でよく利用されている簡易中継システムです。携帯電話の回線が使える場所ならどこからでも高画質の映像を取得、管理、送信できます。イスラエルの会社で開発されました。
LiveUは、バッグになっている送信装置にカメラをつないで、携帯電話の電波を使って映像や音声を送ることが可能。カメラをつないで
電源を入れれば回線の接続や調整も自動でやってくれるので、専門知識がない人でもカンタンに利用でき、テレビ局でも重宝されています。
このシステムは、3G/4G携帯端末(各携帯電話会社に対応)、WiFi、WiMAXを使って映像を伝送するのですが、スゴいのは、電波の状況を常時、監視&解析して最適化しているところ。だから、不安定な電波に対応し、ずっと最適な送信経路を確保しながら、安定した映像を
送ることができます。
昨年(2017年)には、外部のカメラの映像や音声を屋外でも屋内でもフルハイビジョン高画質でリアルタイムに動画投稿SNSへ配信できるという、LiveU Soloも発売され話題になりました。専門知識がない人でも使いやすく、ライブ配信というものへのハードルが下がるという
ことで注目されています。
ライブ中継をすることが身近になれば、テレビ以外でも様々な場面で中継が活用されることになると思います。災害時の状況確認や、学校
行事などを見に来られない人への中継、地域イベントを自治体が全国に中継したり、土木事業の進捗確認ができたり、などなど…映像制作の現場で期待できそうですね。
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