撮影前に行うカメラの明るさの設定

    誰でも映像制作ができるようになった時代。「私もYouTube始めてみよう!」と、思い切って良いカメラを買ってみたものの、設定の仕方がよく分からず悩んでいる方も多いと思います。

     「何やら細かいボタンがたくさんあるしメニュー画面もよく分からない言葉が沢山……」私も最初は同じ気持ちでした……ですが、理解できればそれほど難しいものではございません! 

     

    今回はカメラ設定の基本、明るさの調節について解説していきます。映像の明るさを決める要素は大きく「シャッタースピード」「絞り」「ISO感度」の3つに分かれます。

    ①シャッタースピード

    カメラはシャッターを切ることによって、取り込む光の量を調節しています。

    よく写真を撮る時の擬音として「パシャッ」という音を使いますよね。

     

    このシャッターを開け閉めする速度を速くすることで映像は暗く、遅くすることで明るくなります。

     

    こちらは基本的に分母をフレームレート(fps)の2倍にしておくのがオススメです。

    (例)

    30fpsの動画ならシャッタースピードは1/60秒

    60fpsの動画ならシャッタースピードは1/120秒

     

    フレームレート、また新しい言葉が出てしまいましたが……簡単に言えば動画のコマ数のようなものです。30fpsなら、

    1秒間に30コマの画像で構成された映像ということになります。

    フレームレートの値は、基本的な動画なら30fps、動きの多い動画や4Kでの撮影なら60fpsであることが多いです。

     

    ②絞り

    F値という数字で表現されます。こちらも取り込む光の量を調節する機能です。

     

    シャッタースピードはシャッターの開け閉めで光の量を調節していますが、「絞り」は下図のような羽根状の板で

    穴の大きさを変えることによって調節しています。


    「f2.8」や「f5.6」というような数値で表現され、数値が若いほど穴が開いた状態になり、多くの光を取り込むことができます。

     

    また、絞りを調節することで背景のボケ具合が変化します。f値が小さいほど背景をボカすことができます。

     

    ①ISO感度

    今まで紹介した2つの機能は、カメラのハード面を利用したものでしたが、

    ISO感度はカメラのソフト面、つまり電子的な機能で光を増幅させるものです。

     

    シャッタースピードや絞りで明るさを調節すると、過度の手ブレや意図しない背景のボケを引き起こす可能性があります。

    そこで、ISO感度を調節して一度取り込んだ光を増幅させることによって、シャッタースピードや絞りのデメリットを

    抑えつつ光を増やすことができます。

     

    しかし、ISO感度にもデメリットがあります。元の映像にデジタル加工を施すことによって、ノイズが出現してしまいます。

     

     

    まとめ

    今回は、動画制作のカメラの明るさ調節における基本の3要素「シャッタースピード」「絞り」「ISO感度」を紹介いたしました。

    全て明るさを調節する機能ではあるものの、調節の仕方が異なることによってメリット・デメリットが異なるものとなっております。

     

    ほとんどのカメラはこれらをオートで補正する機能がついていますが、

    それぞれの特性を理解して、撮りたいシチュエーションや動きに合わせて明るさを調節することで、

    映像撮影がより楽しくなってくるかと思います。