動画を使ったWebマーケティングにはさまざまな種類、手法を用いたものがあり、そのなかに「パーソナライズド動画」があります。
このパーソナライズド動画とはどのようなものなのか、特徴やメリット、活用方法などについて詳しく解説いたします。
パーソナライズド動画とは
パーソナライズド動画とは、ユーザー全員に同一の動画を表示するのではなく、それぞれに最適な内容に変更して配信をおこなう動画広告のことです。
この内容はユーザーの性別、年齢、居住地といった属性や、行動履歴などをもとにして選択されます。
従来バナー広告などで使われていた手法ですが、近年は動画制作ソフトやマーケティングツールが進化し、動画広告にも適用できるようになりました。
パーソナライズド動画のメリット
自分に無関係なもの、興味のない広告は見流してしまったり、見たことすら覚えていない場合も多いはずです。
しかし、パーソナライズド動画はユーザーの属性や行動履歴などをもとに「その人に合った」動画広告を配信するため、自分に無関係な広告よりも強く興味を引くことができます。
自分に関係のある広告であれば視聴する気になり、動画を見ていて欲しいと感じればすぐ購入に至る可能性は高いです。
米monetate社による調査では、米国企業のマーケティング担当者の7割以上が、従来のマーケティング手法より、パーソナライズしたメッセージの方が効果的だと回答しています。
パーソナライズド動画の活用方法
つづいて、パーソナライズド動画はどのように活用できるのかを紹介します。
見込み客の育成
見込み客の育成には、相手のフェーズ(欲求レベル)に適した情報提供をおこない、興味・関心をより高めていくことが重要です。
パーソナライズド動画であれば、相手の行動履歴に合わせて配信をおこなうため、この情報提供に最適といえるでしょう。
また、動画は音声と映像を組み合わせ、短時間で多くの情報を相手に伝えられるのが特長です。そのため、DMやメールなどより興味を引きやすいことでしょう。
営業支援
見込み客との商談の場面でも、パーソナライズド動画を用いて説明をおこなえば、より相手の興味を引きやすく、わかりやすい説明が可能です。
見込み客が疑問に思った部分、さらに詳しく聞きたい点を営業が説明すれば、商品・サービスへの理解を深めてもらい、さらに興味をもってもらいやすいでしょう。
パーソナライズド動画の事例
実際にパーソナライズド動画が使われている事例について紹介します。
チューリッヒ生命
保険会社のチューリッヒ生命が配信しているのが「事故解決までの流れ」を案内するパーソナライズド動画です。
この動画では、最初に視聴者の名前を呼びかけ、事故発生から解決に至るまでの流れをわかりやすく紹介するものです。
動画の最後には証券番号や事故番号、事故日といった視聴者の実際の情報が提示されるなど、その人に対する案内であることを伝えています。
画面上のボタンをクリックするとさらに別の説明も受けられるなど、視聴者にわかりやすく配慮している、高品質な動画といえるでしょう。
株式会社クリエ・ジャパン「PRISM」
「PRISM」とは、ユーザー一人ひとりに最適化したパーソナライズド動画を自動生成・配信できるサービスです。
この動画は、ユーザーの誕生日、名前、年齢、性別、プレゼントの予算、おすすめのプレゼントなどを設定することでPRISMにより生成された動画になります。
パーソナライズド動画の注意点
パーソナライズド動画には魅力的なメリットがありますが、注意しなくてはならない部分もあります。それについて紹介します。
個人情報の管理
パーソナライズド動画には個人情報も使われるため、この管理について厳重におこなう必要があります。
動画制作を他社に依頼する場合も、そこから個人情報が流出しないよう、あらかじめ取り扱い方法、ルールについて定めておくことが望ましいです。
逆効果になることもある
人の趣味、嗜好は変化しやすいため、ユーザーの情報を取得したときと、動画を配信したときとで、ユーザーの興味・関心と合致しない場合もあります。
内容によっては、興味のない広告が表示されることでユーザーに不快感、悪印象を与えてしまう恐れもあります。
まとめ
パーソナライズド動画はそのユーザーの属性や行動履歴などに合わせて、興味がありそうな情報を配信する動画広告であると紹介しました。
個人情報の管理など注意点はあるものの、ユーザーの興味を引きつけることができれば、高い効果に期待できます。
動画広告の配信をお考えの方は、この手法についても検討されてみてはいかがでしょうか。
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