動画マーケティングの効果アップ!知っておきたい知識・成功事例

動画マーケティングとは、自社サービスの広告などを動画コンテンツとしてネット配信する、いま人気のマーケティング手法です。その人気のヒミツや、販促効果をより高めるための知識・情報について、くわしくご紹介していきます。

1. 動画マーケティングで集客するメリットは?

動画でのマーケティングに興味があるものの、自社の宣伝に向いているだろうか?とお思いになることもあるでしょう。そこで、動画マーケティングのメリットについて解説していきます。その部分を魅力に感じたら、動画マーケティングを試してみる価値があるのではないでしょうか。

1-1. たくさんの情報をわかりやすく伝えられる

静止画や文章での広告は文字数やサイズなどの縛りがあり、伝えられる情報量にかなり制限があります。その点、動画は「映像」「音楽」「言葉」など、圧倒的に多くの情報を詰め込むことができるのです。

 

さらには、単なるサービスのCMではなく、「ブランドイメージ」といった抽象的な内容まで伝えられます。

1-2. 印象に残りやすく心を動かしやすい

映像と音楽とを織りまぜてドラマティックに情報を伝えることで、静止画よりも印象に残りやすく、心まで動かすことができます。潜在的なニーズにまでメッセージを訴えかけられる可能性もあるでしょう。

1-3. おもしろい内容であればSNSなどで拡散される

最近はtwitterやFacebookなどのSNSが流行しています。魅力的・刺激的なコンテンツは多くのユーザーに拡散され、爆発的に広がっていく時代です。

 

バナーやリスティング広告で効果を得られなかった場合でも、動画であればさまざまな年齢層の方々に閲覧してもらう機会を得やすいのです。

1-4. 動画の需要は年々高まっている

2014年のデータによれば、世界のインターネットトラフィック(通信)は全体で6GB/1人。予想では、2019年に18GB/1人となり、うち80.1%は動画視聴の通信が占めるといわれます。今後、ますますWebコンテンツとして動画の存在感が増していくのは間違いないでしょう。

2. 集客効果が高い動画の種類・その特徴とは?

マーケティング用の動画は、公開する場所と内容が合致していると、もっとも高い効果を得られます。では、どの場所でどういった内容の動画を公開するとベストなのでしょうか。紹介していきます。

2-1. バイラル動画

ソーシャルでシェアされることを目的とした内容の動画をいいます。広告として煽るものでなく、人に伝えたくなる・印象に残るおもしろい内容が望ましいです。

 

ターゲット>>FacebookなどSNS利用者
最適な目的>>商品を知らない方からの認知を高める

 

うまく広まれば、ブランド認知だけでなくブランドへの好感を高められたり、ロイヤリティを向上させたりといった効果が得られるでしょう。ただし、「バズる」(拡散される)メリットが大きいものの、かならず拡散されるわけではない部分に注意が必要です。

2-2. ハウツー動画

便利な裏ワザや商品の使い方など、知って役立つ知識を教える動画のことです。疑問、食べものなどの検索サイト経由でアクセスを狙います。長期的な施策で、役立つ内容を提供すると注目されやすいでしょう。

 

ターゲット>>Googleなど検索サイト利用者
最適な目的>>商品を知らない方からの認知を高める

 

宣伝したい商品を使ったライフハックなどが受ければ、SNSでシェアされることによる知名度の向上、直接的な売上アップにつながります。この種の動画は長期的な運用が必要なものの、アタリ・ハズレの差が小さい部分がメリットです。

2-3. ネット番組

企業としてネット番組のチャンネルを立ち上げ、定期的な配信をおこなえば、既存顧客の再訪を習慣化させることにつながります。継続的に情報提供することで、ファンのロイヤリティを高めていくとよいでしょう。

 

ターゲット>>自社の既存顧客
最適な目的>>商品を知る方からのコンバージョンを高める

 

YouTubeで毎日動画を更新するYouTuberのように、定期的に魅力あるコンテンツを配信すれば、顧客が何度も訪問し、ブランドイメージ自体も向上します。そうすることで、コンバージョンにつなげるという手段です。

2-4. 動画広告

ペイドメディア(広告枠のある情報サイトやニュースサイトなどのメディア)に訪問した方々に、商品やサービスを知ってもらうことが目的です。知ってもらうためなので、内容は広告的なものがよいでしょう。

 

ターゲット>>他社コンテンツの利用者
最適な目的>>商品を知らない方からの認知を高める

 

商品のことをいっさい知らない方、また多少知っているという方に商品認知してもらい、関心を高めてもらうには、ペイドメディアでの動画広告が効果的です。潜在的な顧客層にリーチする可能性があります。

2-5. 説明系動画

自社サイトの商品・サービスの内容を、より詳細に知りたい方がターゲットです。動画広告に近いですが、申し込み・購入などを検討している場合、背中を押すのが目的です。

 

ターゲット>>自社サイト・チャンネル訪問者
最適な目的>>商品を知る方からのコンバージョンを高める

 

商品・サービス紹介を前面に出す動画広告であれば、短時間でシンプルなものが望ましいでしょう。その点、説明動画は見込み顧客がターゲットなので、より詳細に長めの尺で存分に魅力を紹介してください。

3. 動画マーケティングの成功事例5選

これまでに、動画を用いたマーケティングで多く拡散・注目された作品を、成功事例としていくつかご紹介します。

3-1. docomo『3秒クッキング 爆速エビフライ』

docomoといえば通信事業者なのに、料理動画?と思いきや、3秒という速さでクッキングをおこなうおもしろ動画です。docomoのLTE回線の速さをアピールするのが目的であるものの、3秒で調理するというシュールさに注目が集まりました。

 

さらに驚きなのは、CGを一切使っていないというところ。作品としての完成度の高さも感じられます。また、エビフライのほかに餃子編もあり。現時点で1000万回以上の再生数を誇る、大ヒット動画です。

3-2. 資生堂『メーク女子高生のヒミツ』

資生堂が公開し、ネットで非常に話題になったCM動画です。現時点で980万回以上再生されています。次々に登場する、かわいらしい女子高生、じつは全員男性だったのです。

 

なにがヒミツなのか?と思わせておき、最終的には全員が男性!という驚きに、ネット上で大いに話題となりました。もちろん、彼らのメイクに使われたのは資生堂の化粧品であるため、宣伝にもなったことでしょう。

3-3. ダヴ『あなたは自分が思うよりもずっと美しい』

ダヴが実施した実験のCM動画です。まず、女性が自分の顔の特徴を伝え、似顔絵捜査官が顔を見ずに似顔絵を作成。その後、女性を見た人がその特徴を伝え、新しく似顔絵を作成します。すると、本人が言ったまま描くより、他人が言った特徴のとおり描いた絵のほうが、ずっと美しい姿になったというものです。

 

自分の顔にコンプレックスを持っているという人たちを勇気づける内容、そしてこのような個性ある実験を実施したダヴに、注目が集まりました。

3-4. 大分県『【おんせん県】「シンフロ」篇』

温泉の源泉数・湧出量・地熱発電量が日本一の大分県。そこで自らを「おんせん県」と称し、県内各地の温泉でシンクロのロケを観光。PVにしたのがこの動画です。ちなみにシンフロとは風呂のシンクロ、という意味になります。

 

県のユニークな観光PRに、テレビでも取り上げられました。CMの字幕をオンにすればロケ地も表示されるので、PVで景色を見て「ここに行きたい」と思った人も、調べて利用することができます。

3-5. 日清『カップヌードルCM バカッコイイ編』

大人気アイドルの橋本環奈(Rev.from DVL)が、数々の「バカッコイイ」技に挑戦するというカップヌードルのCM動画です。バカッコイイ技というのは、「バカバカしいけど、できるとカッコイイ」と、中高生に流行っているちょっとした特技のようなものです。

 

橋本環奈の人気もさることながら、600回以上も撮り直しをおこなったという、CG不使用の高難度な技の数々にも注目が集まり、人気CMとなりました。

4. 動画の配信場所の違い・特徴とは?

動画を公開できる場所は多数あります。しかし、場所によってそれぞれ動画再生の仕様が異なります。動画の効果を最大限に発揮するには、この仕様を把握しておくことも非常に重要です。

 

たとえば、Facebookのタイムラインでは音声なしで自動的に再生がはじまります。このため、音がなくてもなにを伝えようとしているのかがわかる映像にする必要があるでしょう。

 

また、YouTubeの動画広告であれば、スキップ機能があります。スキップできない5秒の間にメッセージが伝わるような構成、もしくはつづきを見たくなる内容にするといった対策が考えられます。

動画の配信場所ごとの特徴

  • twitter:動画の埋め込まれた投稿にフォーカスしないと停止する
  • Facebook:音声がない
  • YouTube広告:5秒でスキップできてしまう
  • YouTubeチャンネル、オウンドメディア:サムネイルで内容を想像できる

5. 今後の課題はデータで検討!効果測定の数字の見方

動画マーケティングは、企画から目的を明確に設定し、それに最適な動画を作成することが成功の近道です。この動画の種類は、それぞれ目指す成果も違ってきます。狙った成果を得られたかどうかは、つぎのような指標で確認するとよいでしょう。

5-1. バイラル動画

効果測定のポイント>>シェア数

 

バイラル動画の目的は、総合的なブランド訴求です。視聴されるだけでなく、どれだけ多くの方に好印象を残したかが重要になります。

 

SNSであれば、おもしろい・人に教えたいといった反応が「いいね」やリツイートなどで反映されるので、この「シェア数」が評価のポイントになるでしょう。

 

★シェアの拡散は、最初にどう火をつけるかが重要です。反応が薄かった場合は、広告配信という手を考えてもよいでしょう。しかし、自発的なシェアを促せるかどうかは動画の内容にも左右されます。

5-2. ハウツー動画

効果測定のポイント>>継続的な検索流入数

 

ハウツー動画は顧客の疑問・悩みに対して、役立つ情報を提供することで、ブランド認知・ブランド好感を高めるのが目的です。

 

目的の達成には、情報を探す顧客が検索からたどり着いたうえで視聴する必要があります。そこで、効果を測るポイントは継続的な検索流入数です。ニーズの高い情報を提供できれば、施策効果が長続きします。

 

★検索流入数が少ない場合、まずは「本当に顧客が悩んでいることの解決策が提供できているか」を顧客の立場で考えてみてください。また、キーワードランキングや検索ボリュームで「顧客の検索方法」を調査し、それに合わせて動画を作成してみてください。

5-3. ネット番組

効果測定のポイント>>定期的な再訪数

 

この動画は、コンテンツの提供で訪問を習慣化させることが目的です。そのため、評価の指標になるのは「同じ訪問者が継続して視聴しているかどうか」になります。

 

動画一本ごとの再生数のみならず、Youtubeチャンネルであれば「チャンネル登録者数」、Facebookであれば「いいね」の数など、番組全体の反応を重視しましょう。

 

★継続的に視聴してもらうには、まず習慣化する必要があります。曜日・時間を定めて定期的に配信を継続していくことが重要です。

 

継続性・同時性はSNSと親和性が高いので、SNS上でファンを増やして視聴してもらったり、コメント募集をするなどの取り組みも効果的でしょう。

5-4. 動画広告

効果測定のポイント>>視聴率(視聴完了率)

 

この動画は、同じコストでより多くの人に視聴されるのが重要になります。そのポイントが視聴率です。どのタイミングで継続するかなどは媒体によって異なりますが、途中で切られない=役立つと評価されます。

 

高評価の動画は入札単価が下がるのが一般的なので、評価が上がれば同じ費用でより多くの配信をすることができるようになります。

 

★視聴率を上げるには、動画のより後半まで再生してもらう必要があります。もっとも単純な対策としては、動画の時間を短縮し、視聴率を上げるという方法です。

 

ほかには、冒頭でインパクトあるカットを入れるなど、スキップさせない工夫も必要になります。また、他者のコンテンツに差し込む場合、ジャマに感じられないようにするのも重要です。

5-5. 説明系動画

効果測定のポイント>>コンバージョン

 

この動画の目的は、ランディングページ(宣伝サイト)に訪問した顧客の利用・申し込み(コンバージョン)の後押しです。よって、測定のポイントはコンバージョンへの寄与になります。

 

動画の導入前後でコンバージョン率を比較するだけでなく、テロップを変えたりカットを組み替えた動画をいくつか用意し、A/Bテストをおこなうことで、よりよい成果を追求しましょう。

 

★静止画・テキストでも、表現を少々変更するだけでコンバージョン率が変化することは多々あります。動画も例外ではないので、A/Bテストで反応を探りましょう。

 

また、動画だけでなく全体的にページ内のコンテンツを見直し、顧客の疑問・不安に的確に答えられているか、不足がないかを見直してみてください。

まとめ

動画マーケティングは、「自社コンテンツをどうアピールしたいのか」「どのような反応を得たいのか」で適切に動画のタイプをチョイスすることで、よい反応が得やすくなります。

 

いずれにしても重要なのは「顧客の行動」や「ニーズ」を考えることです。社内での議論や、A/Bテストの実施が、動画マーケティング成功への近道になるでしょう。

 

はじめての動画マーケティングはどうすればよいか分からない、どんな作品にすべきか悩んでいる、という方はセミナーへ参加したり、プロに相談したりしてみてもよいかもしれません。


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