この映画、観ました?#24「ヤング≒アダルト」

    こんにちは。大石ちゃんこです。

     

    今回は、自分の中の、汚いけどリアルな感情が引き出されてザワザワする、でも痛快である作品を御紹介。

     

    この映画、観ました?


    ジェイソン・ライトマン監督  「ヤング≒アダルト」

     

    ★★★★☆ 4.5点

    <ストーリー>

    37歳バツイチ、恋人なし、ヤングアダルト小説のゴーストライターである

    自称作家のメイビス (シャーリーズ・セロン)。

     

    高校時代の恋人バディとその妻ベスに子供が生まれたという知らせを受けた彼女は、バディと復縁して昔の輝きを取り戻そうと

    大嫌いな故郷へ帰るが……。

     

    この作品を観ると、世の中の様々な作品が

    いかに男の人の願望を都合よく具現化したような女性像ばかり描いているのか、

    という事に気付けると思います。


    さすが女性の脚本家ですね。

     

    都会で働く、歳をとっても独身な女性が、地元の同級生達より幸せでいたい気持ち、

    私も地方出身・33歳・独身・子なしなのでとてもよくわかります(笑)。

     

     

    ただ私はメイビスと違い、学生時代も別にイケてる女子ではなかったので、

    彼女がこだわる「過去の栄光」が無いため、そのへんは共感できていませんが。


    でも、だから、田舎に残っているベスやママさんバンドメンバー達のように、

    学生時代にヒエラルキートップにいたようなビッチ女には不幸になっていてほしい、

    という気持ちの方も、大変よくわかります。


    ですので、両者に共感できたような形です。

     

     

    地元で結婚して子育てしている幸せと、都会に出て好きな仕事をする幸せ。

    これは私も、「どっちが良いのかなー」って何度も考えたことあります。


    結局、どちらも同じくらい幸せだし、同じくらい大変で悩みが多いんだろう、と思って終わるのですが。

    どちらの人生でも、もう一方の人達に妬みを感じてしまうことはあるんだと思います。

      

    独身・子なしの私としては、正直言って、SNSなどで繰り広げられる地元の幸せ子持ちたちの

    “子供!子供!料理!夫!子供!”みたいなアピール

    (本人的にはアピールではなく単にそれが日常であり生きがいだから投稿してるだけかもしれないけど)に

    うんざりする事もあります。


    でも逆に、そういう人達からしたら、私のような独身者の投稿が鼻についたりする事もあるんでしょうけど。

     

    あと、「かわいそう」と思われるのが1番イヤなのはとても共感でした。


    だから、そのへんを突くベスの(天然の)性格の悪さはすげータチが悪いと思います。

     

    ラストの、「自分も連れてってほしい」と言うマットの妹を切り捨てたシーンも、痛快で大好きです。


    田舎を出たいなら自分一人で出ろよ!

    そんな覚悟もないならやめとけ!

    志もないのになんとなくで出たがるな!ってことなんでしょうかね。

     

    変に改心して優しくなったり同情したりはしないラストに、大変好感を持ちました。

    また、そこで改心したら、自分の生き方や自分自身を否定することになっちゃいますよね。

    そんなのツラすぎますよ。


    せめて自分だけは、自分の生き方を認めてあげたかったのでしょう。

    そういうことも感じられる、切ないラストでもありました。

     

    みっともない姿を曝け出した以上、彼女はおそらく今後地元に帰ることはないと思います。

    きっと、都会で、意地でも彼女らしい幸せをつかむに違いないと思うので、私はそれを祈るのみです。

     

    #4で御紹介した映画「ゴーン・ガール」のように、

    女性はもちろんのこと、女性に幻想を抱いているような男性にも絶対に観てもらいたい作品です。



    ぜひ!!