この映画、観ました?#43
こんにちは。大石ちゃんこです。
先日、宮藤官九郎さんの演劇プロジェクト・ウーマンリブの舞台『七年ぶりの恋人』を観劇しました。
阿部サダヲさんを始め、皆川さん、荒川さん、村杉さん、伊勢さん、池津さん、小路さん達がただひたすらくだらなくて笑える
お芝居をしていてほんと最高です。
それにちなんで今回は、宮藤さん脚本、阿部さん主演の映画にしてみました。
この映画、観ました?
水田伸生 監督 宮藤官九郎 脚本 「舞妓Haaaan!!!」
★★★☆☆ 3点
東京に住む熱狂的な舞妓ファンの会社員・鬼塚は、恋人の富士子をフッて京都に転勤。
努力の末にお茶屋の常連客になり、舞妓の駒子と良い仲に。
そんな中、富士子は鬼塚を見返すため、こっそり京都で舞妓修行を始めて…というお話。
この作品を観たら、とにかく阿部サダヲさんの存在感で頭がいっぱいになることでしょう。
超ハイテンションで一直線な鬼塚という役は、彼にしか演じられないのでは?と思います。
もちろん、脚本が当て書き(たぶん)だからという事もあるだろうけど、鬼塚役を他の人がやったら
サムくなっちゃうんでしょうね。
本当に演技が上手く振り幅が凄い俳優で、舞台、ドラマ、映画、で観るたびに心底感心してしまいます。
また、駒子役の小出早織さんもイイ味出していて良かったです。
顔がこの作品にとても合っていました。
主人公の鬼塚は、修学旅行で迷子になった際に舞妓さんに助けられた事がきっかけで「舞妓さん」にハマってしまった男。
そういえば私の中高の同級生にも、やたら京都が大好きで行きまくってた子が
いたなあと思い出しました。
確かに京都って、素敵な魅力がありますよね。
私は、鬼塚が変人だとは思いません。子どもの頃に何かがきっかけで
そのものに急激にハマってしまい、大人になっても歳を取っても
その情熱がずっと続いているのって、私にもよくわかります。
私にとってそれは「お笑い」なのですが、どんな人にも、鬼塚にとっての舞妓さんのような、
大好きで特別で、もっと知りたい、関わりたい、何をするにもそれが基準になっちゃう、ってものが、ありますよね。
この作品ではコメディとしてハチャメチャな展開になってはいますが、一つのものに情熱をささげる鬼塚の姿には、
(言動が憎たらしくはあるものの)好感が持ててしまいました。
京都に来て舞妓になる鬼塚の元彼女・富士子は、言うなれば鬼塚マニアのようなもの。
彼女が何故そんなに鬼塚が好きなのか。
それが全然描かれてはいないのですが、鬼塚が舞妓にハマったきっかけみたいに、富士子が鬼塚にハマってしまったきっかけが
きっとあったんだろうと思います。
最初は彼女の存在に対して少しイライラしてしまったけれど、そう考えたら応援したい気持ちになりました。
脚本も、さすがだなと思う細かいところが色々あり、冒頭で舞妓さんが迷子の鬼塚に言った
「(この辺の道は)どこ行かはっても京都駅に(行けますよ)」という言葉が終盤のシーンの地味なフリになっていたりします。
密かに「おぼんこぼん」というワードを入れてたのも面白かったです。また、置屋の女将や先輩を
「お母さん」「お姉さん」と呼ぶようなしきたりと、駒子や内藤にまつわる本当の血縁関係を同時に描いているのが、
上手いなあと思いました。
とにかく、説教臭さなんて要らない、お涙なんて要らない、とにかく楽しい気持ちにさせてくれ!
という時に観たい、ハイテンションな作品です。
観てみてください、ぜひ!!
ちなみに#10では宮藤官九郎さんの監督作について書いてますので、そちらもぜひ。
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