映像制作とゲームの歴史
映像+ゲーム
最古のビデオゲームの1つと言われているのが、アメリカの物理学者であるウィリアム・ヒギンボーサムが1958年に作った
「テニス・フォー・トゥー」です。
彼の勤める原子力研究所が行っていた
一般公開の展示用に作られた、
その名の通り2人用のテニスゲーム。
コートとネットが一本ずつの線で
表示され、その上をボールである点が行き来するというシンプルなものです。
コントローラーのつまみを回すことで
ボールの角度を調節し、ボタンを押して
打ち返します。
今では考えられませんが、なんと勝敗やスコアは表示されず遊び手が自分達で判断しなければ
いけませんでした。
これは、研究者ではない一般の人々が遊んだという点で、世界初のビデオゲームとされています。
そして、世界初の家庭用ビデオゲームとされているのが、1960年代後半にドイツ生まれの
アメリカ人であるラルフ・ベアが開発した「ブラウンボックス」です。
彼がテレビ受像器を放送以外の事に使って何かインタラクティブな事をしたい、と考えたことから作られました。
これは、茶色い木箱の機械に2つのコントローラーが付いており、箱の前面に付いたスイッチで
ピンポン、テニス、光線銃など数種類からゲームを選んでセットできるというもの。
ラルフ・ベアが色んな会社に売り込み続けた結果、1972年にマグナボックスという会社により
「オデッセイ」という名前で製品化されました。オデッセイは、画面上で白いドットが
動くだけなので、背景としてオーバーレイという半透明フィルムをテレビ画面に貼り付けて
遊ぶもの。
現在のビデオゲームとはえらい違いですね。開発者のラルフ・ベアは「ビデオゲームの父」と
言われており、ビデオゲーム業界を生み出した功績から、2006年には
「アメリカ国家技術賞」が授与されました。
現在のゲーム界は、以前に取り上げた「HDM(ヘッドマウントディスプレイ)」のような
仮想現実を実際に観ているよう映し出せる器具を使って、臨場感たっぷりに楽しめるゲームが
誕生するほどに開発が進んでいます。
それらを、テニス・フォー・トゥーやブラウンボックスで楽しんでいた当時の人達に見せたら、
腰を抜かしてしまうかもしれませんね。