動画広告の効果を測定する方法|改善して反応率アップ!
こだわって作成した動画であっても、観てもらえないようでは意味がありません。そこで、動画プロモーションでは、配信後に効果を測定することも非常に重要です。
どのような年齢・性別のユーザーが何回視聴したかなど数値を測定し、改善することでより反応を高められます。では、どのような観点で効果を確認すればよいのか、測定する方法を見ていきましょう。
1. 動画マーケティングで重要な4つのステップ
動画マーケティングでは、つぎの4つのステップで広告を出稿して効果測定し、改善していくのが望ましいです。
その1:目的の明確化
まずは広告を出稿する目的を明確にします。目的というのは以下のようなものです。どれをもっとも優先するのか選択してください。
- ブランドの認知度を高める:認知
- 商品やサービスを宣伝することで、購入の検討をしてもらう:検討
- 購入や問い合わせなどの行動を起こしてもらう:行動
その2:目的と合致するKPIを設定
つづいて上記で定めた目的から、それを達成するための目標となるKPI(重要業績指標)を設定してください。たとえば「認知」が目的の場合、視聴回数や広告の表示回数をKPIとします。
その3:ツールを使って効果を測定
目的やKPIを設定したうえで出稿したら、第3項で紹介しているツールなどを使い、実際にどの程度目標が達成できたのかを確認してください。
その4:結果を踏まえてブラッシュアップ
結果を確認したら、どの部分が今後の課題となるのかをリストアップします。そのうえで、改善できる部分は修正していってください。改善していく手法については、第4項で解説しています。
2. 動画広告の効果はどの項目から測る?
動画の効果測定といえば、視聴回数は気になるポイントです。しかし、それがすべてではありません。チェックすべきポイントを見ていきましょう。
2-1. 再生回数
単純なCM動画では、なかなか再生回数を伸ばすのがむずかしいかもしれません。そこで、個性的な内容や、役に立つ内容など、誰かに教えたくなるような動画であれば、再生回数を伸ばしやすいです。
SNSなどで人気(いわゆる「バズる」状態)になれば、想像しているよりもずっと多くの人に見てもらうことができる場合があります。
2-2. 視聴率(視聴完了率)
動画広告で重要になるのは、再生回数のほかにも「いかに多くの人に最後まで視聴してもらう」もしくは「サービスに興味をもってもらって、サイトに飛んでもらうか」です。
とくに、YouTubeの動画再生前の広告などは5秒でスキップできるので、その5秒間で興味を持ってもらい、そのまま視聴してもらうように工夫が必要になります。
2-3. ユーザーの反応
動画広告を視聴したうえで、ユーザーが押したいいね!の数やコメント、シェアをしたかどうかなどをチェックしてください。まったく評価がない場合、あまり興味を持ってもらえていない可能性があります。
とくに、Facebookでは「否定的な意見がありました」という項目があり、この数値もチェックが必要です。これは、ユーザーがニュースフィードでページ投稿を非表示、もしくは報告した人数。
あまりに否定意見が多い場合、内容がユーザーにとってつまらなかった、もしくは不快な気分にさせた可能性があります。
3. 効果測定サービスを利用しよう!
効果の測定には、各種解析ツールやサービスの利用が便利です。なかでも利用者が多い、代表的なものをご紹介します。
3-1. Google Adwords
YouTubeチャンネルとAdWordsアカウントをリンクすると、広告動画に関するデータをより詳細にチェックできます(YouTubeとAdWordsの両方でリンク設定をおこなう必要あり)。
»Google Adwords
◇Adwordsから確認できる項目
●有料/無料視聴に対する動画広告の掲載結果、視聴者のエンゲージメント
動画の視聴数(有料/無料視聴数)、高評価のついた回数、共有された回数、チャンネル登録者数が閲覧できます。
●各動画の視聴率と費用の割合
動画広告を複数掲載している場合、それぞれの視聴率と費用の割合などを確認できます。
●有料/無料視聴に対する各動画の視聴者維持率
動画全体の何パーセントまで視聴されたかの平均値などを確認できます。
●動画を視聴したYouTubeユーザー層
有料/無料視聴におけるユーザーの属性(性別、年齢)を閲覧できます。メインの視聴層を確認することで、特定の性別・年齢層を絞り込んでの宣伝などに活かすことが可能です。
3-2. YouTubeアナリティクス
YouTubeに投稿した動画の効果測定をおこなえる無料ツールです。確認できる項目はGoogle Adwordsと似ており、視聴しているユーザー層や評価などを確認できます。
»YouTube アナリティクス
なお、「YouTube クリエイターアカデミー」でくわしい使い方や理解度チェックなどが確認できます。
3-3. Facebookオーディエンスインサイト
こちらは、Facebook広告の効果を測定できる公式ツールです。なお、いいね!数などは「Facebookページインサイト」などで確認できます。
»Facebook オーディエンスインサイト
◇Facebookオーディエンスインサイトで確認できる項目
●ユーザー属性
性別や年齢、学歴、役職、地域、交際ステータスなど
●ユーザーの行動
ログインしている端末、アクティビティの頻度など
●ユーザーの趣味嗜好
いいね!しているページや興味のあるカテゴリーなど
なお、ターゲットをアメリカにすると以下のデータも確認できます。
●世帯情報
世帯収入や規模、住宅の情報など
●購買行動
ネットショッピングの利用履歴、どのような商品の購入を検討しているかなど
Facebookは個人情報を登録するSNSのため、YouTubeより多くのユーザー情報を閲覧することができます。アメリカ版の機能が今後日本で利用できるようになる可能性もあるでしょう。
3-4. Google広告 ブランド効果測定サービス
これはツールではなく、オンラインで申し込むことができないGoogleのサービスです。YouTube動画広告(TrueViewインストリーム広告)もしくは、Googleディスプレイ広告の効果を2種類の方法で測定できます。
ブランドリフト調査:アンケートでの広告想起率、ブランド認知度調査
サーチリフト調査:オーガニック検索上昇率(リスティング広告を含まない検索結果)
料金は無料ですが、現時点では担当営業のいる広告主のみが利用可能です。
4. 効果を確認したうえでどう改善すべき?
ツールなどを使って動画広告の効果を分析したうえで、実際はどのように改善していけばよいのかを解説していきます。
4-1. 視聴率が低いなら導入部を変更
完全視聴率が低い場合、動画が開始して数秒の間にユーザーを引き込めていないことが考えられます。そこで、導入部分によりインパクトがある描写を持ってくるなど、興味を持たせるつくりが求められるでしょう。
4-2. 時間を短くしてみるのもあり
完全視聴率が低いとき、動画が長すぎるというのも原因になる場合があります。視聴時間のユーザー平均を確認して、ショートバージョンにしてみるのも手です。
4-3. ユーザー層の不一致があれば変更
想定していたユーザー層の反応率が悪い場合、性別や年齢を見直してしぼり込むと、より高い反応を得られる可能性があります。
まとめ
どの種類の広告にもいえることですが、少しの違いでユーザーの反応が大きく変わる場合があります。あまり反応のよくない動画広告をそのままにしていては、コストのムダになってしまうでしょう。
思い切って大きくつくり直してみたり、プロに意見を聞いてみたりして、ベストな広告を配信できるとよいですね。