動画広告の種類と特徴|種類別・費用対効果を高めるコツ

動画広告といっても、そのフォーマットはひとつではありません。配信方式によって種類が異なり、それぞれ特徴や効果、ターゲットとするユーザーが違います。

 

現状、動画広告は4種類の代表なものがあるので、それぞれの「特徴」と「特徴を活かした費用対効果を高めるコツ」について解説していきます。

1. インストリーム動画広告

YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトで、再生前・中・後に流れるプレーヤーと同サイズの動画広告のことをいいます。現状、もっとも多い動画広告の形式です。

1-1. 特徴

  • 基本的に音声は最初からオン
  • 再生前に流れるのが「プリロール動画広告」
  • 数秒後にスキップできるものは「スキッパブル広告」。1分半~数分が主流。
  • スキップできないものは「ノンスキッパブル広告」。15秒が主流。

1-2. メリット

  • ノンスキッパブルだと、CMをしっかり見てもらいやすい
  • 大きな画面上で音・映像・文字を使って最大限に商品の魅力を伝えられる
  • 多くの場合は最後まで視聴された場合のみ課金される方式なので、ムダがない

1-3. デメリット

  • スキッパブルだと、すぐスキップされて見てもらえない場合もある
  • 動画を視聴したい際の妨げとなり、悪いイメージになる場合も

1-4. 費用対効果を高めるコツ

スキップされる・されないは別にして、まず動画再生前にかならず目に入る部分なので、注目されやすい広告枠です。

 

また、大きな画面を使って効果的に映像を見せることができるので、宣伝を全面に出した動画はもちろん、ドラマティックな演出にこだわった映像など、自由に配信できます。

 

そこでポイントになるのが「スキップせず、最後まで見たいと思わせる」こと、「印象に残るものにする」こと。動画を見る前に出て不愉快な気分にさせない、好奇心をくすぐる内容であれば、コンバージョンにつながりやすいです。

2. インバナー動画広告

バナー広告が表示される場所に設置される動画広告です。インディスプレイ広告とも呼ばれます。Yahooのトップページや、キュレーションサイトなどに設置されているものが代表的です。

2-1. 特徴

  • DSP(インターネット広告を配信するツール)を介して配信される場合が多い
  • 広告配信元によって「マウスを乗せると再生」などの技術が使われたりする

2-2. メリット

  • 動画サイト以外にも配信できる部分が大きなメリット
  • 見ようとしたページ内で動いているので、目につきやすい

2-3. デメリット

  • デフォルトで音声がオンだと、突然音が鳴ってユーザーを不快にする場合がある

2-4. 費用対効果を高めるコツ

インストリーム広告は動画サイトにしか表示されない形式でしたが、このインバナーは「ふだん動画サイトを見ない」というユーザーにも映像で宣伝することができます。

 

そこで、この形式の動画を配信するうえでポイントになるのが「どのサイトに掲載するか」ということ。たとえば、ターゲットが主婦の商品であれば、女性向けキュレーションサイトに広告を掲載するとか、「適切なターゲットの絞り込み」と「メディアの選定」がカギになるでしょう。

 

また、興味がなければ見られなくなってしまうので、ターゲットの「興味がありそうな内容」「悩みを解消する内容」にすると、視聴してもらいやすいです。

3. インフィード動画広告

TwitterやFacebookといったSNSなどのタイムライン上に埋め込まれる動画広告。ほかの投稿とあまり変わらない見た目を装いながら、自然に宣伝できる手法です。

3-1. 特徴

  • SNSだけでなくニュース記事などでも埋め込まれている
  • スクロールで追跡したりしないため、ユーザーの操作をジャマしにくい

3-2. メリット

  • ほかの投稿となじんでいるため自然に見てもらいやすい
  • スクロールすれば動画の視聴を止められるため、ユーザーを不快にしない
  • 興味を惹く内容だとリツイートされるなど、気軽に拡散されやすい

3-3. デメリット

  • 流し見されていると、目につきにくい場合がある

3-4. 費用対効果を高めるコツ

この形式でも、インバナー動画広告同様に「掲載するサイトの選定」が重要になります。また、ターゲットの悩みに共感する、拡散したくなる内容にするのがポイントです。

 

動画広告を掲載するのがTwitterの場合、広告であってもおもしろい、ためになる内容であれば「リツイート」や「いいね」が押されます。そのため、タイムラインを流し見していても「これはなんだろう」と見たくなるようにすれば、爆発的に注目される可能性も秘めているのです。

4. インリード動画広告

スマートフォンなどで、ユーザーがページをスクロールした際に表示される動画広告。ニュース記事などに差し込まれます。4種類のなかで、もっとも新しいものです。

4-1. 特徴

  • スクロールするだけで表示されるインスクロール広告とは異なる
  • スマホを中心としたプロモーションで注目されている方式

4-2. メリット

  • スマホだとサイト閲覧時にスクロールする場合が多いため、目につく
  • スマホ世代向けの商品だとコンバージョンにつながりやすい

4-3. デメリット

  • 場合によっては、うっとうしいと感じられることもある

4-4. 費用対効果を高めるコツ

記事文章を読んでいるときに表示されるので、目につく広告です。しかし、やはりユーザーを不快にしてしまう場合があるので、思わず見入ってしまって不快に感じさせない動画にすることがポイントになります。

 

また記事の内容と関連性が高い動画だと、より注目されやすいので、やはり掲載先の媒体選びも重要になってくるでしょう。

5. 広告の効果はなにを基準に測定すればよい?

動画広告を配信したら効果測定をおこない、反応を見てブラッシュアップしていくことも重要です。では、どの部分で測定すればよいのかを解説します。

5-1. 再生回数

もっとも調べやすいのが再生数です。単純に宣伝を目的とした動画だと、あまり再生数が伸びないかもしれませんが、おもしろい・ためになる動画であれば観てもらいやすいことでしょう。

 

あまり再生数が多くないのであれば、いわゆる「バズる(拡散される)」ような、誰かに教えたくなる内容の、個性ある動画に変えてみてはいかがでしょうか。

5-2. 視聴率(視聴完了率)

動画広告は観てもらうことが大切です。全部視聴されなくてもコンバージョンに繋がることがありますが、より観てもらうため、動画の最後まで視聴したユーザーはどのくらいか、チェックしてください。

 

どの部分で閉じられたり、スキップされたりするのかを調べることで、動画のブラッシュアップに活かすことができます。

5-3. ユーザーの反応

SNSで拡散された様子(シェアやいいね!の数など)も要チェックです。拡散を狙った動画を配信しても、思ったより効果がなかった場合、ターゲティング設定や内容の見直しをしたほうがよいかもしれません。

5-4. ツールを利用してみる

ツールを使えば、動画を観たユーザーの反応が数値やデータで分かります。無料で機能の充実したものも結構あるので、使ってみてはいかがでしょうか。くわしくは、以下の記事でも解説しています。
» 動画広告の効果はここで測定!よりよい広告に改善する方法

6. 費用対効果をさらに最大限高めるには?

動画を制作する際、どの種類で動画を制作するかの決定は重要ですが、それが「確実に見てもらえるか」「印象に残るか」は動画の内容が大きな役割を果たします。

6-1. 宣伝色を強めすぎない

商品を宣伝したいというのが目的でも、ただ商品の特徴だけ伝えればよいわけではありません。宣伝色を出しすぎず、たとえばストーリー性やバラエティ要素など印象に残る部分もあるという、絶妙なバランスが重要です。

6-2. 開始5秒が勝負の分かれ目

スキップできる広告であれば、スキップされない5秒間で、いかに「この広告を続けて観てみよう」という気にさせるかが重要です。インパクトやテーマのチョイスがカギになることでしょう。

6-3. 音がなくても伝わる内容に

近年は、インターネットの利用にスマホをメインで使うという方が増えています。スマホの音をオフにしている方は多いですから、そういった方たちにもリーチする動画広告が求められるでしょう。

 

たとえば、映像だけで内容が理解できる動画や、字幕を入れてみるなど、無音でもわかるものにすると、効果を高めることができるはずです。

6-4. ただ動画を撮ればよいのではない

近年はスマホを使ってカンタンに動画を撮影し、すぐ公開できるアプリも登場しています。しかし、それゆえに「同じようにカンタンに動画を撮ってアップしている人」も非常に多いため、インパクトがある作品でないと埋もれてしまいがちです。

 

この部分は素人だと非常にむずかしいため、制作してみてもあまり効果を得られなかった・・・という場合は、動画制作のノウハウを持った人物、プロに依頼するのもひとつの手ではないでしょうか。

まとめ

動画広告の種類は増えてきていますが、どれにも共通するのは「適切な配信形式・媒体を選択すること」「インパクトある動画をつくる」ことです。もちろん、制作して配信したら終わりではありません。

 

配信後の効果なども調査し、それによってテコ入れをおこなう、今後に活かす、といった行動も必要になります。動画広告でのプロモーションは、じつはかなり奥が深いのです。


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