目的別で考える、映像制作のポイント:テレビ編
◆目的別で考える、映像制作のポイント:テレビ編◆
映像制作をして作られた映像はさまざまな目的に使用されていますが、昔から使われてきたこととしてマスコミの情報伝達としての目的があります。
マスコミの中でも映像制作に特に深く関わっているのがテレビです。テレビで放送するための番組として使うために、これまでさまざまなタイプの映像制作がされてきました。
こうしたテレビのための映像制作をする場合には、気をつけなければならないいくつかのポイントがあります。まず大切になるのはわかりやすく伝えることができるものでなければならないということです。
ニュースを報道する場合などでも新聞や雑誌などと異なり、映像制作をすることには大きなメリットがあります。
活字だけではわかりにくいような細かなニュアンスも映像を通してならば伝えることができます。
そうしたことがテレビ自体の利点にもなっているのですが、その反面映像を多く多用することはかえって見る側にとってわかりづらくなることもあります。
テレビのニュースの映像制作をする場合には特に、視聴者が理解しやすい編集の方法にも気を配る必要があります。
ニュースキャスターが読む原稿と合うように、必要な映像を順序だてて切り貼りしてつないでいくことで、視聴者にとってよりわかりやすい映像を作ることができます。
ニュースだけではなくテレビの娯楽番組などでもわかりやすい編集をすることは大切になります。
カット割りなども基本的なものを多用することで視聴者にとって見やすい映像が作れます。
テレビ番組の映像制作の注意点
◆目的別で考える、映像制作のポイント:テレビ編2◆
テレビで放送される映像には規定のフォーマットと厳しい基準があるため、映像制作を行う際には注意しなければなりません。
まず、テレビ用も地上波、BS、CS,ケーブルテレビ用など基準が全て異なっていますが、もっとも厳しい地上波用の基準を満たしていればまず問題はないと言っても良いでしょう。
まずフレームレートがドロップフレームであることは鉄則といえます。
フレームレートは映像制作の基本ともいえる項目であり、撮影の段階から気を付けておく必要があります。
あとで変換をかけることも不可能ではありませんが、オフライン編集では時間がかかり、テープ媒体の場合はスタジオの費用が必要となりますので効率的とはいえません。
また、輝度差のある規則的なパターンがあったり、8コマ以下の点滅が繰り返される、赤色単色での点滅やカットチェンジなど光の量や色に対しても厳しい審査基準があるため注意が必要です。
また音声についても厳しい規定があり、番組の冒頭とラスト、CMのタイミングなどでは、半秒の無音を付けることが義務づけられています。
こうした無音を意識した編集を行わなければ、話の語尾が切れてしまうなどの危険があります。
そして、最も注意すべき点として、音声が必要以上に大きくならないためにラウドネスメーターによる測定基準が設けられており、音量の最大値を示すトゥルーピークは-1dBTPを上限とし、加えて無音部分を省いた、プログラム全体の音量平均が-24LKFSを基準とし誤差は+-1LKFSまでとなっています。
ラウドネスメーターによる測定結果は納品の際にシートに記入する義務があるため、必ず行う必要があります。
音声まで意識した映像制作はテレビだけではなく、さまざまな媒体においても必要不可欠であり、今後はよりシビアに努めていかなくてはならないといえます。